新型コロナウイルスによる混乱から、社会が正常化するための切り札とも言われるワクチン接種。ワクチン接種が進む一方で、ワクチンによる副反応や、現在まで国内での接種の主流となっているファイザーおよびモデルナ製のワクチンが、mRNA(メッセンジャーRNA)という遺伝物質を用いた新しい技術によるワクチンであることから、接種をためらう意見も聞かれます。
筆者としては、ワクチンについて以下のような情報収集を行ってみました。
・新型コロナウイルスワクチンに関する公刊されている書籍(主にmRNAワクチンについて書かれているもの)を数冊読了。この中にはワクチンに対して否定的な見解のものも、肯定的な見解のものも含まれる
・インターネット上に公開されている、ワクチンの接種状況および副反応(重い副反応や接種後死亡に関するものを含む)に関する情報
・新型コロナウイルス(主にデルタ株)が重症化しやすいといわれる属性に関する情報(高齢者、男性、喫煙者、肥満の重症化リスクが高い、といった情報)
・接種を済ませた複数の知人の実体験
その結果、東京商工会議所の加盟企業を対象とした職域接種でモデルナ製のワクチンを接種することを選択し、2回の接種を済ませ、1回目の接種の模様とその後の副反応について記事にまとめました。
今回は、その続編として2回目のワクチン接種と、その後の副反応についてレポートします。
この記事は、コロナワクチン、特にモデルナワクチンの接種を検討されている方に参考となる情報を提供をすることを意図したもので、ワクチン接種を勧めるものでも、否定するものでもありません。そのような視点から、出来るだけ客観的に、実際に起きたことを簡潔に記していきたいと思います。
なお、被験者(筆者)の基礎データは、40代前半、男性、身長170cm、体重68kg、2年前まで約20年間の喫煙歴あり(現在は卒煙)、食品アレルギーや過去のワクチン接種によるアレルギー反応などはとくになし、ということになります。
「プチッ」としたけど痛くはない
2021年9月27日の第2回接種は、1回目と同じく、千代田区の東京商工会議所渋沢ホールが会場でした。
接種を終え、会場を出るまでの流れは、1回目とほぼ同じでしたので、ここでは省略します。
少し違ったところと言えば、注射をされた時の感触。
1回目接種では、腕に触れられた感触以外ほぼ何も感じなかったのが、2回目接種では注射針が「プチッ」と刺さる感じがはっきりとわかりました。
ですが、まったく痛くはないのは同じで、何だか不思議な感じでした。
当然、打ち手の方が異なれば違ってくるものでしょうし、1月前に体験済みで余裕があった分、わずかな刺激でも感じることが出来た、ということなのかも知れません。
体温が「エレベーターのように急上昇」
接種後、特に変わったことは感じられなかったので、そのまま外で昼食を済ませてから帰宅、というのも1回目と同様。
ただ、1回目より強い副反応が出ることを想定して、仕事はあらかじめ休みをとっておきました。
接種から約2時間が経過した13時ごろから、接種部位付近に違和感(熱感や張っている感じ)が出始めたのも1回目と同じでした。
その後、時間が進むにつれ、腕の痛みが強くなるのも同じなのですが、痛みの出方や熱感を伴っているところなど「1回目よりやや強い反応かな?」という感じがしました。
夕食を済ませ、20時ごろ(接種9時間後)になると腕の痛みがグングンと増してくる感じがありました。検温してみると36.8℃。私としては平熱の範囲でした。
22時(接種11時間後)ごろになると、明らかに体がだるく、腕も「かなり痛いな」という感じに。検温してみると37.2℃。1回目にはなかった発熱の始まりでした。
ベッドに横になってうつらうつらし、気がつくと24時(接種13時間後)に。
この時点で体温は37.6℃でしたが、ここから数十分間の間に、まるでエレベーターが急上昇するかのように体温が「グワーッ」と上がっていくのがわかり、「ちょっと眠るどころではない」感じに。腕もかなり熱を持って腫れているようでした。
翌日午前0時30分の時点で、体温は38.2℃。この30分間でかなり汗もかいたので、着替えたのですが、腕の痛みで服を着脱するのにとても難儀しました。
寒気がするので一枚上着を足して横になりましたが、熱の高さで眠れる気がしません。コロナの感染対策の徹底で、熱を出すこと自体がかなり久しぶりで、つらさに拍車がかかっているようにも思えました。
眠れぬまま午前1時(接種14時間後)になり、強まる一方の寒気に上着をもう一枚追加。検温結果は39.1℃でした。
完全に熱にうなされている状態で、とても眠れる気がせず、観念して解熱鎮痛剤(ロキソプロフェン)を服用して横になりました。
30分後の午前1時30分。体温は39.3℃でしたが、薬が少し効いてきたのか気分的にはかなり落ち着いてきました。
午前2時(接種15時間後)になると、体温は38.6℃。熱もそうですが、腕の痛みが明らかに軽くなり、「おっ、肩が回るぞ」という感じに。
午前3時(接種16時間後)になると、明らかに体が楽になり「スッキリした」という感じに。汗をかなりかいたので着替え、熱をはかると37.2℃でした。
ふたたび横になると、いつしか眠りに落ちていて、気がついたのは朝7時(接種20時間後)。起床時の体温は36.8℃でした。
簡単には熱が下がらない
この日も休みをとっていたので、「午前中は大事をとって休んで、午後からは普段通り過ごせるかも」と、思ったのが甘かった・・・。
昼食後の12時30分ごろ、少し熱があがってきたかな? と体温をはかると37.0℃。
横になって休んでいると、昨夜のように体温が「グワーッ」と上がっていくのを感じました。
30分後の13時(接種26時間後)には38.6℃、14時(接種27時間後)には38.7℃、15時(接種28時間後)には39.3℃まで上昇。
熱にうなされる状態が続き、16時(接種29時間後)の検温し39.2℃となったのを見て、2回目のロキソプロフェンを服用しました。
その後はグラフで示したように、階段を1段1段下っていくように少しづつ熱が下がり22時(接種35時間後)には平熱に。
そのまま翌朝までぐっすりと眠ることができました。
モデルナアームを疑うが
接種から3日目の朝。
熱はなく、気分も悪くありませんが、昨日のこともあるので大事をとって午前中は休養。
昼食を済ませ、午後から仕事を再開。腕の痛みがだいぶ軽減されてきたのが感じられ、熱が上がることもなく、仕事(PC作業)には全く支障を来たしませんでした。
翌日は朝から普段通りに、朝の日課の運動(ジョギング・筋トレ)を再開。
順調に副反応からの卒業に進んでいるようだと思っていると、昼ごろから腕の接種部位の周囲に、うっすらとしたかゆみ(かきむしってしまうほどではないが)を感じるようになりました。
かゆみは1回目の接種後には感じなかったものなので、いわゆるモデルナアームか? と思って警戒しましたが、結局その次の日(接種から5日目)までうっすらとした熱感とかゆみが続き、その後症状が出ることはありませんでした。
接種前に副反応への備えを
以上のような2回目接種後の経過をまとめると、
・1回目より強い腕の痛みに加え、接種4日後にかゆみを感じたが、痛み・かゆみとも接種6日後にはおおむね治まる
・接種当日の夜(接種11時間後)から発熱。熱が急に上がり39度台に。解熱剤服用で治まるも翌日再発熱。接種3日後には平熱に戻る
・仕事の再開は接種3日目の午後から。日課の運動の再開は接種4日後から
・接種6日後以降は、特に副反応と思われる症状は出ていない
ということになります。
統計調査でも、モデルナワクチンの接種後は他のワクチンにくらべて発熱などの副反応が出る割合が高いことがわかっていますが、周囲のモデルナワクチンの接種者に聞いても「高熱が出た」「仕事を休んだ」という人が、副反応が軽かった、出なかったという人よりも明らかに多いので、モデルナワクチンの2回目接種に臨む方は、休暇を取る、水分や解熱剤を用意しておく等、副反応が出た場合に備えての準備をしておくことをおすすめします。